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脳科学コラム2024年12月9日

「マルチタスク」ができてるつもりの人にこそ読んでほしい脳科学の話

「マルチタスク」ができてるつもりの人にこそ読んでほしい脳科学の話
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会議に出席してる間、同時にメールを入力しながら夕食に何を作ろうか考えていたら、突然、誰かが議論中の事柄について意見を求められ、どう返答してよいか分からないだけでなく、メールも返せなかった・・・

こんな経験、ありませんか?

多くの人が「自分はマルチタスクができている」と思っていますが、脳科学の研究では「脳は一度に複数のタスクを処理できないし、そもそもうまく処理できない」ことが何度も示されています。これはもはや、「マルチタスク」ではなく、「スイッチをオンオフ切り替えまくってる複数のタスク」とでも呼ぶべきなのです。(後述)

ブラウザのタブを切り替えること**(今、いくつ開いていますか?)**・SNSを見ながら誰かと会話すること、会議中にメールを打つことなど、これらの習慣はすべて、表面的には時間を節約できるように見えますが、長期的には集中力がなくなり、非効率的で非生産的になります。


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「認知負荷」とは何ですか?

マルチタスクが機能しない大きな理由、それは情報過多、つまり過剰な認知負荷によるものです。

認知負荷とは、作業記憶に使われる努力を指します。これは、即時の意識的な知覚および言語処理に関係する短期記憶の一部です。

この用語は、認知負荷理論 (CLT)から1980 年代に開発されたもので、人間の認知能力はいつでも限られているとしています。学習者は、一度に大量のタスクや大量の情報に圧倒され、情報を処理できなくなります。

例えば、メイヤーとモレノが行った研究では、マルチタスクをしながら新しい情報を学ぶことは、不可能ではないにしても困難であると結論付けています。これは、ジュンコとコットンが行った研究にも反映されており、マルチタスクを高度に行う学生ほど学業成績が良くないことがわかりました。(1) (2)

「マルチタスク」神話

マルチタスクの問題は、過度の認知負荷だけではありません。興味深いことに、「マルチタスク」という「同時に複数のタスクを処理している」かのような用語は、この状態に対してまったく正確ではありません。

神経科学では、脳は複数のタスクを同時に処理することはできず、むしろタスク間でスイッチ(オンとオフのボタンのように)を切ることが明らかになっています。

すなわちこの状態は「マルチタスク」ではなく「複数のタスクのスイッチをオンオフしまくってる」とでも呼ぶべきでしょう。(3)

切り替えコスト

タスク間の切り替えには「切り替えコスト」と呼ばれる負荷がかかります。この負荷によって、速度の低下、精神力の低下、ミスが発生しやすくなることなどが起きやすくなります。

APA によると、タスクの切り替えによって、なんと生産時間の 40% もが失われている可能性があるそうです。(4)

より具体的に切り替えコストの発生タイミングについて触れてみましょう。

1.新しいタスクに適応する時

科学者たちは、連続して提示された 2 つの刺激のそれぞれに対して別々に反応するように求められた場合、2 番目に現れた刺激に対する反応が遅くなることを発見しました。これは「心理的不応期」として知られています。1990年代に、ロジャースとモンセルも同様の調査結果を発表しました。

すなわち、たとえそれが予告されていたものだとしても、新しいタスクに取り組む場合、反復タスクと比較すると、処理速度が遅くなってしまったのです。(5)

2.タスクを比較する時

ヴァンダービルト大学の心理学者ルネ・マロワは、一度に複数のタスクを実行するよう求められた場合、競合するタスクを比較して、脳はどちらの活動がより重要であるかを選択する必要があり、時間がかかることを示しました。
たとえば、運転中に重要な電話を受ける場合、脳はどちらかを優先する必要があります。無意識に選択しているように見えて、実はこの比較も、タスク処理の速度を落としている要因になっているのです。

3.前のタスクのどこまでやったか思い出そうとする時

仕事のメールから電話に切り替える場合、一見「切り替えコスト」は低いように見えるかもしれませんが、メールに戻って、過去の思考の流れを思い出したりすることで、処理の速度が遅くなります。

研究者は、複雑さや検索の必要性が増すほど、タスク間の切り替えコストが高くなることを発見しています。(7)

今すぐ集中するための3つの方法

ここまで読んで、思い当たることがありすぎて、落ち込んだりしていませんでしょうか。また、そうは言われても、働いているとどうしても差し込みタスクが発生したりして、マルチタスクをするしかない…と絶望したりしていませんか。

でも、安心してください。小さな工夫で、環境は整えられますし、何より私たちの脳には驚くほど**可塑性(=変化を加えると戻らない性質)**があり、より集中して効率的になるよう再訓練することができます。

1.PCやスマートフォンからの情報量の整理

まずは差し込みタスクにも耐えうる環境を構築しましょう。

会議中はPCを閉じて会話に参加する
会議中はノートパソコンの画面を閉じたり、携帯電話をしまっておく習慣をつけ、積極的に聞き、議論に参加できるようにしましょう。

メールは時間を決めて一括処理
メールに返信するためにタスクを中断するのではなく、メールの確認と返信のための特定の時間帯を 1 日に設定します。おすすめは朝出勤時、昼の休憩後、退勤1時間前(そこから明日のタスク整理)などはいかがでしょうか。

ブラウザのタブをすべて閉じる
オンライン ショッピング、ニュースの見出し、SNSなど、気が散る可能性のあるものは開いたままにしないでください。どうしても閉じるのを忘れてしまう人は、開きっぱなしのタブを整理してくれるアプリもあるのでおすすめです。

通知をミュートにする
通知を減らすと、タスクに集中しやすくなります。PCもスマートフォンも通知を最小限に編集しましょう。

2.机の上など物理的な情報量の整理

仕事机に書類が山積みになっていませんか?

マルチタスクと同様に、過度の視覚刺激は、脳が複数の個別の情報を同時に処理して識別することを余儀なくされるため、精神的負荷を増加させます。

机を常に清潔に保つ
すぐに使うからといって書類を横に積んだりすることはやめましょう。書類は取りやすいかもしれませんが、過度な視覚情報となり、生産性を低下させてしまいます。近道のように見えて、遠回りをしているのと同じです。

整理整頓のためのシステムを作る

物の場所を決めたり、物を増やさないなどのルールを決めていきましょう。モノをついつい買ってしまう人、出したものを戻せない人など、散らかってしまう原因は人それぞれです。
最近は片付けについての情報発信をしている人も多くいますので、自分に合う内容のものを実践してみましょう。

請求書や領収書などの管理業務に時間を割く

どうしても紙の書類を残しておかなければならないのが仕事の場面だと多々あるのではないでしょうか。

だからこそ、請求書や領収書の管理業務には時間を割きましょう。 細かい字が羅列しているこれらの紙が持つ情報量は視覚情報過多の状態を引き起こすのに最適だといっても過言ではありません。

営業活動や企画に専念したいからといって、これらの事務作業を後回しにしていると、いいアイデアも浮かばなくなってしまいます。

机上の雑然さはタスクの雑然さ

よく部屋の状態は心の状態だと言われますが、仕事机も同じです。散らかった状態はタスクの処理速度が落ちていく危険信号と見なすようにしてください。

散らかったものが積み重なり始めたら、一度に多くのことをしようとしすぎていないか確認してください。忙しいかもしれませんが、ひとつずつこなしていくのが確実に一番いい取り組み方です。

3. 瞑想する

瞑想は、集中力を高めるために心を物理的に変え、再訓練することができるため、マルチタスクに追われて疲れ果てた心に対する完璧な解毒剤です。

これは、記憶と注意力の両方に関連する脳の灰白質の量を増やすことによって行われます。

例えば、2012年にリバプール・ジョン・ムーアズ大学で行われた研究では、毎日10分間瞑想するよう求められた参加者の注意の自己制御、つまり集中力が向上することが示されました。(8)

実際、瞑想は集中力を高める強力なツールであるため、ADHD患者の臨床現場でもますます導入されつつあります。

はじめる:
瞑想を初めて行う場合は、より効率的に取り組めるよう、EEG脳波ヘッドバンドを使うことをおすすめしています。

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情報源

Mayer, RE, & Moreno, R. (2003). マルチメディア学習における認知負荷を軽減する9つの方法。教育心理学者、38(1), 43-52。

Junco R.; Cotten S. (2010). 「インスタントメッセージの使用による学術的効果の認識」 (PDF). Computers & Education . **56 **(2): 370–378. doi : 10.1016/j.compedu.2010.08.020 .

ネイピア、N. (2018)。マルチタスクの神話。[オンライン] Psychology Today。https://www.psychologytoday.com/us/blog/creativity-without-borders/201405/the-myth-multitasking から入手可能 [2018年5月7日アクセス]。

http://www.apa.org. (2018).マルチタスク:切り替えコスト[オンライン] 参照先:http://www.apa.org/research/action/multitask.aspx [2018年5月7日アクセス]

Pashler Harold (1994). 「単純課題における二重課題干渉:データと理論」心理学速報. **116 **(2): 220–244. doi : 10.1037/0033-2909.116.2.220 . PMID 7972591 .

ヴァンダービルト大学 (2018)。マルチタスクを妨げる神経ボトルネックを発見。[オンライン] 参照先:https://news.vanderbilt.edu/2007/01/18/neural-bottleneck-found-that-thwarts-multi-tasking-58764/ [2018年5月7日アクセス]。

Mayr, U. & Kliegl, R. (2000). タスクセットの切り替えと長期記憶の回復。実験心理学ジャーナル:学習、記憶、認知、26、1124-1140。

Moore, A., Gruber, T., Derose, J. and Malinowski, P. (2012). 定期的で短時間のマインドフルネス瞑想の実践は、注意制御の電気生理学的マーカーを改善する。Frontiers in Human Neuroscience、6 ページ。

Mitchell, J., Zylowska, L. and Kollins, S. (2015). 成人期の注意欠陥・多動性障害に対するマインドフルネス瞑想トレーニング:現在の実証的裏付け、治療概要、および将来の方向性。認知行動実践、22(2)、pp.172-191。

本投稿は、ZONEが日本正規代理店として扱っている脳はデバイスMuseシリーズの販売元Museが発行しているメールマガジンやブログを承諾の下、日本語翻訳した内容になります。

The Multitasking Myth: Understanding Cognitive Load
The Multitasking Myth: Understanding Cognitive Load
Most people overestimate their ability to effectively multi-task, but research repeatedly shows that the brain cannot process multiple tasks at once – or do a good job at it anyway.
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