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デバイスガイド2025年8月18日

たった3分で脳卒中を76%の精度で診断!救急車でも使えるレベルの簡易脳波計について

たった3分で脳卒中を76%の精度で診断!救急車でも使えるレベルの簡易脳波計について


脳卒中は現在、世界的に成人の障害の主な原因の一つとなっている深刻な疾患です。

日本では2022年に107,481人が脳卒中で亡くなり、死因第4位を占めています。また、介護が必要となる原因の第2位が脳血管疾患であり、40-64歳で介護が必要となる方の半数は脳卒中が原因です。

北米でも、カナダと米国でそれぞれ第3位と第5位の死亡原因となっています。

現在の研究によると、一般的に使用されている入院前脳卒中スケールでは、急性脳卒中症例の最大30%を見逃す可能性があり、専門的な治療が最も有効な大血管閉塞(LVO)に起因する脳卒中を発見できないことが多いとされています。

そのため、より正確な新しい脳卒中診断方法の開発が急務となっており、有望な方法の一つがEEG(脳波検査)です。

この記事では、普段ZONEでも瞑想用として紹介している家庭用脳波計Museを活用して脳卒中を発見するための応用研究の内容と、脳卒中の基本知識までを詳しく解説します。

脳波デバイス Muse S Athena【STORES】

※※本商品は予約販売商品となります※※ 第一便は2025年8月上旬の発送を予定しておりますが、都合により前後する場合がござ

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🧠 Muse EEGヘッドバンドによる革新的診断

アルバータ大学の画期的研究

2020年、アルバータ大学の研究チームがNature Scientific Reportsに発表した研究により、Muse EEGヘッドバンドの脳卒中診断への応用可能性が科学的に実証されました。

Predicting stroke severity with a 3-min recording from the Muse portable EEG system for rapid diagnosis of stroke - Scientific Reports

In this study, we demonstrated the use of low-cost portable e

www.nature.com

[](https://www.nature.com/articles/s41598-020-75379-w)


Nature Scientific Reportsについて:

Nature Scientific Reportsは、Nature Publishing Group(現Nature Portfolio)が発行する査読付きオープンアクセス学術雑誌で、インパクトファクター3.8を持つ権威ある科学雑誌です。 世界で3番目に引用数の多い雑誌として、2024年には834,000回の引用を記録しており、厳格な査読プロセスを経た信頼性の高い研究成果のみが掲載されます。Nature本誌(インパクトファクター約50)には及ばないものの、科学界で高く評価されている学術誌です。

https://www.nature.com/articles/s41598-020-75379-w研究概要:

参加者: 25名(脳卒中患者16名、コントロール群9名)

記録時間: わずか3分間のEEG記録

評価時期: 脳卒中発症後平均3.85日(亜急性期)

使用デバイス

デバイス種類に関しては詳細の記載がありませんが、256Hzサンプリング周波数の仕様が確認できることから、2016年以降のMuse(MU-02)またはMuse 2(2018年発売)の可能性が高いです。※初代Muse(2014年)は220Hz)

>
研究用の改造

研究者たちが診断精度を向上させるために以下の改造を行ったことです:

>
・ハードプラスチック外装をソフトヘッドバンドに交換

・耳の電極をクリップオン電極に交換

・より安定した電極接続のための調整

科学的に証明された脳波パターンの変化

本研究により、脳卒中患者では以下の明確な脳波変化が確認されました:

DAR(δ波/α波の比)の増加:

DARとは、遅い脳波(デルタ波1-3Hz)を速い脳波(アルファ波8-13Hz)で割った比率のことです。

脳卒中の重症度とともに統計的に有意に増加することが証明されました(p = 0.0021は「99%以上確実」という意味)。中等度から重度の脳卒中で特に顕著で、脳血流の低下により脳活動が「スローダウン」することを数値で表現できます。

DTABR((デルタ+シータ)/(アルファ+ベータ)比)の増加:

これはより包括的な指標で、遅い脳波(デルタ波1-3Hz + シータ波4-7Hz)を速い脳波(アルファ波8-13Hz + ベータ波14-20Hz)で割ったものです。重症度に比例して増加し(p = 0.01)、脳血流低下による神経活動の「スローイング」をより正確に測定できます。

脳対称性指数(pdBSI)の変化:

左右の脳の活動バランスを測る指標で、低周波数帯で対称性が減少し、高周波数帯で対称性が増加するという複雑なパターンが発見されました。

MuseEEG脳波デバイスの実用的な診断精度

機械学習による分類結果:

総合精度76%: 100人の患者を診断して76人を正しく判断

感度63%: 脳卒中の人100人のうち63人を正しく「脳卒中あり」と判断(見逃し率37%)

特異度86%: 脳卒中でない人100人のうち86人を正しく「脳卒中なし」と判断(誤診率14%)

設定時間: 約5分(従来のEEGより大幅に短縮)

この精度は、現在アメリカの救急現場で使用されているロサンゼルス運動スケール(72%の精度)に匹敵する結果です。

今後の展望と課題

臨床応用への可能性

Museデバイスが臨床応用できる可能性として、下記の特徴が挙げられています。

重篤な症状の患者でも使用可能であること

救急車内での使用に適した設計であること

自動解析アプリケーションの開発可能性があること

専門病院への迅速な搬送判断をサポートできること

研究の制限事項

その一方で、アルバータ大学の研究では以下の制限事項が指摘されています:

小規模サンプル: 25名という限られた参加者数

評価時期: 脳卒中発症後平均3.85日での評価(超急性期ではない)

脳卒中部位: 皮質下脳卒中の症例が少数(3例のみ)

より大規模な検証研究:

サンプルサイズの拡大による統計的妥当性の向上

サブグループ解析に十分な症例数の確保

超急性期での評価:

救急外来や救急車内でのリアルタイム診断

脳血流が最も低下している時期での脳波変化の確認

他の診断方法との比較:

現在の病院前脳卒中スケールとの併用効果

追加的診断価値の定量化

実用化への道筋

2024年のMuse Brain Health Reportによると、自宅で脳波検査を使用して脳の健康状態を評価または治療を受けたことがある人はわずか9%でした。

しかし、この研究成果によりEEG技術が迅速で正確、そして命を救う診断を提供する有望な可能性が科学的に実証されました。今後の大規模研究により、救急医療現場での実用化が期待されています。

そもそも脳卒中とは?

脳卒中は「脳発作」とも呼ばれ、失血により血液から供給される重要な栄養素と酸素が脳に届かなくなることで起こります。この失血は以下の原因で発生します:

脳内の動脈を通る血流を粒子が妨げる

脳内の血管が破裂する

どちらのタイプの脳卒中も、重症度はさまざまですが、最終的には脳の特定の部分の損傷や死につながります。

脳卒中の3つの主要なタイプ

1. 虚血性脳卒中(87%)

血栓、プラーク、その他の粒子が脳の特定の領域への血液供給を遮断することで発生。

サブタイプ:

塞栓症: 血栓またはプラークが体内の他の場所から移動し、脳の動脈に詰まる

血栓症: 脳に血液を供給する動脈内に血栓が形成される

2. 出血性脳卒中(13%)

脳内の血管が破裂して血液が溜まり、周囲の組織に損傷を与える。

原因:

高血圧

動脈瘤の破裂

外傷

タイプ:

脳内出血: 脳内の動脈が破裂し、周囲の脳組織に血液が溢れる

くも膜下出血: 脳とそれを覆う薄い膜の間の空間で出血が発生

3. 一過性脳虚血発作(TIA)

ミニ脳卒中」と呼ばれ、通常は5分以内に自然に治る。

⚠️ 重要: TIAを経験した人の10~15%が、今後3か月以内に重度の脳卒中を発症

脳卒中のリスク要因

生活習慣要因

高血圧

高コレステロール

糖尿病

タバコの使用

アルコール摂取

身体活動不足

肥満

医学的要因

心臓病

心房細動(不規則で心拍数が速い)

人口統計的要因

年齢: 年齢とともにリスクは増加

性別: 女性は男性よりも脳卒中を発症する割合が高い傾向

人種: アフリカ系アメリカ人とヒスパニック系は高血圧の割合が高い

家族歴: 脳卒中の家族歴

既往歴: 過去の脳卒中または一過性脳虚血発作

🚨 脳卒中の警告サイン

以下の症状が現れた場合は、すぐに救急サービスに連絡してください:

突然の歩行困難、めまい

突然の協調運動障害とバランスの喪失

突然の発話困難、会話の理解困難、混乱

腕、脚、顔(特に体の片側)における突然の脱力感またはしびれ

他の原因がないのに突然ひどい頭痛が起こる

突然の視力低下(片目または両目)

脳卒中類似症状の危険性

以下の状態は脳卒中の症状を模倣し、誤診につながる可能性があります:

アルコール中毒

薬物の過剰摂取/毒性

発作と発作後、トッド麻痺

偏頭痛

脳腫瘍

脳感染症

硬膜外血腫

低血糖

代謝障害

神経障害(ベル麻痺)

高血圧性脳症

現在の診断と治療

緊急治療のタイムライン

虚血性脳卒中の場合:

3時間以内: tPA(組織プラスミノーゲン活性化因子)の点滴投与

6時間以内: 動脈内血栓溶解療法

8時間以内: 機械的血栓除去術

出血性脳卒中の場合:

手術または血管内手術による修復

病院前診断の課題

調査結果によると:

93%の人がしびれを脳卒中の兆候として認識

しかし、すべての症状を認識し救急隊を呼ぶことを知っていた人は38%のみ

救急医療隊でも急性脳卒中症例の最大30%が見逃される可能性

## まとめ

脳卒中の早期診断は患者の予後に決定的な影響を与えます。Muse EEGヘッドバンドのような革新的な技術により、病院前診断の精度向上が期待され、より多くの患者が適切なタイミングで治療を受けられる可能性があります。

本投稿は、ZONEが日本正規代理店として扱っている脳はデバイスMuseシリーズの販売元Museが発行しているメールマガジンやブログを承諾の下、日本語翻訳・加筆修正した内容になります。

Revolutionizing early stroke diagnosis with EEG technology | Muse™ EEG-Powered Meditation & Sleep Headband

A new study finds EEG could improve the accuracy of prehospit

choosemuse.com

[](https://choosemuse.com/blogs/news/revolutionizing-early-stroke-diagnosis-with-eeg-technology)

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