集中が続かなくても楽しめる趣味はある|ADHDの特性に合わせた習慣の作り方
注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴である集中力・衝動性・多動性の問題を抱えながら生活をするというのは、時にまるで迷宮の中に住んでいるかのような感覚に陥るのではないでしょうか。
しかし最近では、正しいツールを活用し、自分に合った習慣を身につけることで、ADHDの症状にうまく対処でき、日常のタスクの困難を軽減できることがわかってきています。
そこで、今日は脳科学の観点からみた、ADHDの人におすすめの趣味や習慣をご紹介します。
ただ、やはり相性がありますので、ぜひZONE取扱の脳波デバイスでの脳波や瞑想度なども参考にしながら、あなたにとってよりよい趣味や習慣を見つけてみてください。
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ADHDの症状に対処するのに役立つ趣味
ADHDの症状で困っている人には、集中力を向上したり、感情を制御したり、全体的な幸福度を高めたりするような趣味でがおすすめです。
定期的な運動
単純な身体的活動は、集中力を強化しながら、不安や鬱の症状を減らすことができます。
日常的なほんの少しの散歩やストレッチだけでも、定期的な運動はADHDの症状へ対処するために大きな役割を果たすことがわかっています。
ランニング、サイクリング、武術、チームスポーツは、エネルギーを使う活動であり、集中力の向上に非常に適しています。
ダンスもまた、身体的な活動と創造的な表現を組み合わせたものなので、楽しみながらADHDの症状に対処できる方法です。
瞑想
瞑想によって集中力と感情の制御が向上することが、研究によって示されています。瞑想はADHDの対処にとって非常に価値のある手段です。実際、瞑想は集中力を高める強力なツールであることがわかっているので、臨床現場でもADHD患者に瞑想を施されることが増えてきています。
EEGデバイスを使った簡易脳波計のような機械の助けを借りながら瞑想を実施することは、あなたの一日の集中力に役立ちます。
事実、Muse社の製品利用者の72%が、集中力と明晰さが改善されたと報告しています。
クリエイティブな趣味を始める
編み物や絵を描くこと、写経、彫刻やデジタルアートなど、集中力が必要で手を使う趣味は、心を静め、有益な結果をもたらします。こうした活動には集中力が必要で、繰り返しが多いので、ADHDの症状を対処することに役立ちます。
ZONEのワークショップ「写経」に参加していただいた皆さんの結果からも、集中とリラックスを何度も行き来していることがわかります。
ガーデニングや料理
心を静めて、達成感をもたらし、感覚も刺激します。
ビデオゲーム
特に戦略的思考や素早い反射が必要なゲームは、ADHDにとって有益な場合があります。
音楽を聞く
音楽を聞くための時間をとることは、気分と脳機能に良い影響をもたらすことがあります。楽器の演奏を習うこと、歌うこと、さらに作曲は、とても魅力的でやりがいのある活動です。
下記の記事は音楽と脳の状態についてまとめたものです。
ADHDの症状に対処するのに役立つ習慣
管理可能なタスクを作る
仕事をするときは、正しい環境を作りましょう。集中して作業した後に休憩するポモドーロ方法のようなテクニックを使いましょう。
タスクを整理する
タスクやto-doリストを整理するためのスケジュール帳やアプリを使い、毎日現実的な目標を設定しましょう。これはADHDの症状に対処するための体系化された環境を作ることに役立ちます。
良い睡眠を優先する
規則的な睡眠パターンは、ADHDの人の休息の質をめざましく向上させます。Smart Fadeテクノロジーを用いたMuseの**デジタル睡眠薬(DSP)**セッションは、脳活動に反応して睡眠の質を高め、入眠と睡眠維持に役立ちます。
神経フィードバックを追跡する
40年以上の間、神経フィードバックの技術は臨床的な環境において使用され、脳波の不均衡に対処し、ADHDの症状を緩和してきました。MuseSをはじめとしたEEGのテクノロジーを用いて脳神経のフィードバック(ニューロフィードバック)を得ることは、自分自身の脳の活動を理解し制御するのを助け、ADHDの人が対処すべき集中と感情制御の部分で役立ちます。

上記の趣味と習慣を生活に取り入れることで、ADHDをもつ人々は自分の症状とよりよく付き合っていくことができます。そして、集中力を高め、自分の感情を制御し、人生の質を高めることができます。
ADHDの人は、なぜ趣味が続かないのでしょうか
ここまで趣味と習慣をご紹介してきましたが、実際には 「始めたときはあんなに楽しかったのに、気づいたら道具だけが残っている」 という声をとてもよく伺います。
これを 「飽きっぽい性格」 や意志の弱さとして片づけてしまうと、次の趣味でも同じことが繰り返されがちです。そこでいったん、脳の側から眺めてみましょう。
ADHDの脳では、やる気や報酬に関わるドーパミン系のはたらきが、そうでない人と異なっている可能性が指摘されています。Volkowらが未服薬の成人ADHD 53名と対照44名をPET(陽電子放出断層撮影)で比較した研究では、側坐核と中脳におけるドーパミントランスポーターおよびD2/D3受容体の指標がADHD群で低く、注意の評価と関連していたと報告されています。
さらに、将来の報酬をどれくらい低く見積もるかを調べる 「遅延報酬割引」 の症例対照研究を統合したメタ分析では、ADHD群のほうが将来の報酬を強く割り引く傾向が一貫して確認されています。
つまり、続けた先にある大きな楽しさよりも、いま目の前にある刺激のほうが強く感じられやすい という条件のもとで趣味を選んでいる、と考えることができます。趣味が続かないのは、その条件を考慮しないまま「毎日30分、半年続ける」という設計にしてしまっているからかもしれません。
こう考えると、対処の方向性も変わってきます。
- 1回を短く区切る。30分続けるのではなく、5分で終わる単位に割ってしまう
- 上達が目に見える趣味を選ぶ。記録が数字や作品として残るものは、報酬が先送りされにくくなります
- 人と一緒にやる。約束や反応そのものが、その場で受け取れる報酬になります
なお、ADHDの特性や治療については個人差が大きく、ここでご紹介した研究も傾向を示したものです。診断や治療の判断については、医療機関にご相談ください。
趣味に飽きるのが早いとき、何が起きているのでしょうか
「飽きる」 といっても、その中身はいくつかに分かれます。ZONEでワークショップや計測をご一緒してきたなかでよく見えてくるのは、次の3つのパターンです。
① 準備の段階がいちばん楽しい
道具を調べて、揃えて、部屋を整えるところでピークが来てしまい、実際に始めた頃には新奇性が薄れています。新しさそのものが刺激だった場合に起こりやすい形です。
② 上達の踊り場で止まる
最初は目に見えて伸びるのに、あるところから成長が緩やかになります。報酬が先送りされる区間に入ると、続ける理由が急に見えにくくなります。
③ 同時にいくつも始める
興味が動いた先を全部つかみにいった結果、どれも中途半端になり、達成感が積み上がりません。
いずれも、「新しさ」以外の報酬を用意できていない という点は共通しています。だからこそ、記録を残す、誰かに見せる、前回との違いを確かめるといった小さな仕掛けが、そのまま続ける力になります。
感情が大きく揺れて途中で嫌になってしまう場合は、ADHDと感情調整のコラムもあわせてご覧ください。
没頭できているとき、脳はどんな状態なのでしょうか
一方で、ADHDの特性がある方には、時間を忘れるほど一つのことに入り込む 時間があります。研究の世界では 「過集中(hyperfocus)」 と呼ばれてきました。
ただし、この現象は語られる機会が多いわりに研究が限られており、定義も統一されていないことが総説で指摘されています。「没頭できる=ADHDの長所」と単純に言い切れる段階ではない、というのが現在の位置づけです。
とはいえ、自分がどの活動で入り込めるのか は、続く趣味を選ぶうえで手がかりになります。そして、その状態は感覚だけで判断しなくても構いません。
ZONEのワークショップでは、写経やメディテーションの最中の脳波を簡易脳波計で記録しています。実際に測ってみると、集中しきっているように見える時間のなかでも、集中とリラックスを何度も行き来している ことが見えてきます。自分では「うまくできなかった」と感じた回のほうが、数値としては落ち着いていた、ということも珍しくありません。
体験計測やデバイスについては、ZONEの脳波計測サービスと取扱デバイス一覧をご覧ください。じっと座る瞑想が苦手な方には、ADHDの人に合う瞑想の見つけ方、仕事の場面での工夫はADHDの大人が職場で生きやすくなる脳科学がお役に立つかもしれません。
おわりに
ADHDと上手く付き合っていくために必要なことは、テクノロジー、支えになる習慣、そして忍耐と適応性に基礎づけられたマインドセットを融合させた、バランスの取れたアプローチを見つけることです。
定期的な運動、瞑想、安定した睡眠、戦略的習慣などの効果的な実践を生活に追加することによって、集中力と感情的安定性を高めることができます。
EEGを用いた神経フィードバックツールを取り入れることによって、脳の活動を理解し調整できるようになります。それによってさらに、ADHDの症状に対処することも可能になっていくのではないでしょうか。
習慣とツールを正しく組み合わせ、より簡単にADHDという迷宮と付き合っていきましょう。
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